時代劇で見る『ハイウェイパトロールマン41マグナム』
以前、『時代劇におけるハイパト』について纏めました。
この記事執筆後、別のハイパト登場回を見ましたので、ほんのちょっとですがその分を追加します。
今回の記事で、『大江戸捜査網』については第3シリーズのみの話数表記にしますので、前回記事と話数が異なると思います。
※前回記事は、大江戸捜査網アンタッチャブルからの通算表記にしていました。
◉項目
1.はじめに
『ハイウェイパトロールマン41マグナム(以降:ハイパトと表記)』とは、旧MGCが1972年に発売した、今日までさまざまな人に愛されてきた傑作モデルガンです。
S&W社のM28がベースですが、MGCのハイパト自体は架空銃です。
太陽にほえろ!、大都会シリーズ、ワイルドセブン、ゴキブリ刑事など色々なドラマ、映画で使われているため、非常に人気なモデルガンですが、ハイパト自体は1977年で生産が終了しているため、入手は難しいです。
時代劇におけるハイパトは、『荒野の素浪人第2シリーズ・鮎の旦那の五連発』が有名です。
しかし、荒野の素浪人第2シリーズ以外にもハイパトは登場するため、鮎香之介以外もハイパトを使います。
三船プロ作品に頻出しますが、今のところ無加工ハイパトは見たことがありません。
したがって、時代劇に登場するハイパトは、全て外装に手が加えられているということを、ご承知のほど宜しくお願いします。
2.時代劇カスタム
これは、最もよく登場するタイプだと思います。
時代劇カスタムや、以降のカスタムにも共通する特徴を以下に記します。
●特徴
このタイプは、『長崎犯科帳・平松忠四郎』の闇奉行のハイパトでもあります。
私は他時代劇で確認するまで、これはずーっと『闇奉行カスタム』だと思っておりました。
上画像にもあるのですが、時代劇カスタムと意匠付きカスタムのハイパトは、シリンダーをスウィングスライドして薬莢を装填するシーンを見る事が出来ます。
★登場回
- 長崎犯科帳:各話(未登場回アリ)
- 破れ傘刀舟悪人狩り:第25話「子はぐれ唐人」
- 破れ傘刀舟悪人狩り:第27話「妖花女殺し屋」
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第5話「偽りの報酬」
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第6話「横浜コネクション」
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第9話「廃墟のめぐり逢い」
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第13話(再放送第12話)「夜霧の片道切符」
- 大江戸捜査網(昭和版第3シリーズ):第64話「大江戸市街戦」
- 大江戸捜査網(昭和版第3シリーズ):第71話「音次郎撃たれる」 ※発火時のみハイパトで、アップ時はMGC:HEAVY DUTY 44マグナム 6.5inch。
- 大江戸捜査網(昭和版第3シリーズ):第114話「富士に響く銃声!」
3.意匠付きカスタム
これは、鮎の旦那の五連発が有名です。
旦那の五連発は龍の意匠がバレル、グリップに付けられております。
『龍の意匠付きハイパト』は、鮎香之介オリジナルカスタムです。
他時代劇にも『意匠付きハイパト』は登場し、その時は『鶴の意匠』がバレル、グリップに付けられています。
前述の通りで、このタイプのハイパトもシリンダーをスウィングスライドして薬莢を装填するシーンを、見る事が出来ます。
意匠付きバレルと意匠付きグリップは必ずしもセットで登場ではなく、グリップにのみ鶴の意匠が付けられている場合もあります。
★登場回
- 荒野の素浪人第2シリーズ:各話
- 破れ傘刀舟悪人狩り:第42話「愛の残影」
- 破れ傘刀舟悪人狩り:第60話「二十一年目の顔」
- 大江戸捜査網(昭和版第3シリーズ):第97話「必死の逃亡者」
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第11話「氷菓子(アイスクリーム)を富士山で」 ※グリップにのみ鶴の意匠付き。
4.ミリポリ調カスタム
これは、『ミリタリーポリス』のような形にカスタムされたハイパトです。
このタイプも、比較的登場頻度は高いと思います。
ミリポリ調ハイパトも、前述のハイパトの特徴と同じですが、ミリポリ調カスタムゆえにエキストラクターシュラウドは削り取られています。
このハイパトは、シリンダーをスウィングスライドするシーンを今のところ見たことが無いため、『発火用ステージガン』だと思います。
稀に、エキストラクターロッドが抜け落ちている事があります。
この『ミリポリ調ハイパト』は、ラウンドグリップです。
なんだか、ミリポリというよりM36あたりにシルエットが似ていますね。
★登場回
- 荒野の用心棒(時代劇):第28話「虐殺の丘に女の復讐は燃えて・・・」
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第1話「駅馬車暁の襲撃」
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第8話「三匹の流れ者」 ※エキストラクターロッドが抜け落ちているミリポリ調カスタム。
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第9話「廃墟のめぐり逢い」
- 大江戸捜査網(昭和版第3シリーズ):第114話「富士に響く銃声!」
- 長崎犯科帳:第16話「帰ってきた男」 ※この話は、ラストで忠四郎がミリポリ調カスタムを分解するシーンがある。
5.国際産業6inchジーパン調カスタム
これは、まるで『太陽にほえろ!』のジーパンこと柴田刑事の22口径ミリタリーポリス調カスタムのような、カスタムハイパトです。
形状もさることながら、なんとこのハイパトは『国際産業(コクサイ)』のハイパトがベースのようです。
本当に、ジーパンカスタムのようなカスタムハイパトです。
このハイパトは、『4.ミリポリ調カスタム』と同じ特徴です。
リアサイトのネジ穴もしっかり残っており、エキストラクターシュラウドも削り取られています。
★登場回
- 大江戸捜査網(昭和版第3シリーズ):第176話「怒りの白昼殴り込み」
6.41マグナム弾ダミーカートリッジ
見出しの通りで、41マグナム弾のダミーカートリッジが、時代劇に登場します。
薬莢に弾頭がついた状態が多いですが、偶に薬莢のみ、弾頭のみで登場する事もあります。
『破れ傘刀舟悪人狩り』では、薬莢に弾頭をくっつけて、ハイパトのシリンダーに装填するシーンがあります(百姓殺しの凶器か確認するため)。
私は『荒野の素浪人第2シリーズ』は未視聴ですが、本作では鮎の旦那がハイパトを常用するため、このダミーカートリッジが頻繁に出てくると思います。
★登場回
- 大江戸捜査網(昭和版第3シリーズ):第97話「必死の逃亡者」
- 破れ傘刀舟悪人狩り:第25話「子はぐれ唐人」
- 破れ傘刀舟悪人狩り:第27話「妖花女殺し屋」
- 人魚亭異聞無法街の素浪人:第6話「横浜コネクション」
7.最後に
これは、破れ傘刀舟悪人狩り第60話「二十一年目の顔」より、サイドプレートの旧MGCマークが確認できる発火シーンです。
私が分かる限りでは、『荒野の用心棒(時代劇)』第28話(1973年10月9日 放送)が、時代劇カスタムのハイパトの初登場回です。
この話では、ミリポリ調カスタムのハイパトが使用されておりました。
しかし、私が思うには、この話より前に使用回があると思います。
『時代劇におけるハイパト』は、この記事に挙げた以外にもまだまだ登場回はあります。
他時代劇に登場するハイパトは、ここで紹介したものと同じなのか、それとも異なるのか、非常に興味があります。
...この記事、書くのが少し大変でした。
短く纏めたかったのですが、それくらい時代劇にもハイパトが登場するため、長くなってしまい申し訳ありません。
モデルガンベースと思われるステージガン、近年の作品では、確か『名奉行遠山の金さん 第4シリーズ』、『鳴門秘帖(2018年・BS時代劇)』にDENIX製と思われる燧石式(フリントロック)短筒が登場していました。