十手房紐の結び方について
海老結び、これを調べていたら、もう一つ紐の結び方を知りましてね。
ヤバいんですよ。
今めちゃくちゃ気持ち良いんですよ。
凄いワクワクしています。
...ただ、結び方は分かったものの、十手握柄にどうやって巻き付けるかなど、イマイチ解決しない部分は多いです(理解力が無いため)。
そういう事なので、十手房紐で見る紐の結び方、巻き方を、ご紹介します。
◉飾り紐における結び方
この飾り紐では、よく見るのはこちらでです。『総角結び(あげまき むすび)』です。
総角結びは『人形』、『入型』の2種類あり、十手の房紐は『入型』にする傾向があるようです。
※武具甲冑につける『総角結び』は、全て『入型』にするため、そこから影響を受けていると思われます。
もう一つあるようです。
『叶結び』という結び方です。
仕置屋主水十手で、初めてそれを見ました(下画像は暗闇仕留人第5話)。
仕留人時代の仕置屋主水十手で、この結び方が確認出来ると思います。
結び方としては『総角結び』に似ていますので、それから影響を受けたのかもしれません。
◉房紐全体の巻き方
これは、上級捕吏(同心以上)と下級捕吏(目明かしなど)で変わるイメージです。
上級捕吏の中でも、町方与力同心や関東取締出役は、このような結び方をします。
私のブログを見ていただいている方なら、よく登場する巻き方ゆえ、珍しくはないと思います。
この真鍮製および鍛鉄製銀流し十手の房紐の巻き方は、これを含めて4種類あるようです。
画像の1種類(左から1つ目)と、左から3つ目は十手工房様のHPで紹介されているもののため想像出来ますが、他がちょいと分からないです。
左から3つ目の鈎付け根付近から輪紐が出ている巻き方は、房を引けば瞬時に紐が解けるため、投擲時に便利そうです。
実戦向きですが、捕縛時の代用くらいで投擲して縄を絡めるには、長さが足りなさそうです。
次に、火付盗賊改や目明かしの十手で見かける巻き方は、この巻き方です。
『棒結び』です。
これは、小物が持つ捕縄で、よく見かける結び方です。
岡っ引きが腰に隠して提げていたり、捕物時代劇のラス立ちで捕縛時に使う、あの白い捕縄の結び方です(十手についているものは、錆朱色などさまざま)。
自分が知った結び方、巻き方では、この棒結びが一番結びやすく、巻き方によっては解きやすいため、実戦向きだと思います。
時代劇でもよく見られ、火付盗賊改の鍔鈎十手の房紐が、棒結びであることが多いです。
逆さY字の様な結び方は、棒結びの締め方を少し変えれば可能です。
この場合、房を引っ張ればスルリと紐が解けます。
『破れ奉行』では、深川奉行所の十手房紐が、これと思われる巻き方でした。
また、『新五捕物帳』で駒形の新五が十手につけている捕縄も、この棒結びだと思います。
新五は十手握柄にも捕縄を巻いています。
目明かしらしく、分銅付き捕縄です。
最後に、この巻き方です。
『海老結び』です。
これは、前述の『棒結び』同様、十手の緒付環に捕縄を提げる際に行う巻き方です。
(これは下緒を海老結びにし、十手につけたもの)
これは、『絵で見る時代考証百科』に載っているイラストで知り、遠目からだと房を付けている様に見えると、書かれておりました。
また、目明かしが十手に捕縄をつける際、良く使われる結び方とも、載っておりました。
これと思われる結び方を施した房紐付き十手、なんと時代劇で確認可能です。
おそらく、梅雀さんの伝七が持っている十手の房紐の巻き方が、この海老結びだと思われます。
交互に末広がりに組まれた紐、これが海老結びの特徴です。
自分も海老結びを実践し、画像検索も行なって確認したため、おそらく海老結びで合っていると思います(私は本のイラストに寄せた結び方を、行いました)。
この海老結びを施して投擲する場合、房を握って十手を引けば、海老結びが解かれて一本の紐になります。
長い文章になってしまい、申し訳ありません。
私のイメージですが、十手の房紐の結び方は、何も結ばないか総角結びが多いイメージです。
捕物全体で言えば、やはり棒結びをよく見かけます。
ただ、紐はある程度の太さがないと、結びにくいし巻きにくいです。