近江の御隠居の趣味録

時代劇関連や刑事ドラマ関連、モデルガン、十手関連、ドール、figmaやその他の趣味用のアカウントです。更新頻度と共に修正頻度も高いですが、ご容赦ください。

なんとも....『 関西型の鍔十手 』購入

『 関西型 』と断定しているのは、『 関西町奉行所の十手 』には、ある特徴があるからです。
今回は、その十手を購入したので、それについてです。






まず、こちらです。


私の記事を見てくださっている方なら、ある部分が大きく異なることが、お分かりになると思います。


  • 全長:約28糎
  • 棒身は先細り、地金は金属(おそらく鍛鉄)だが緋色がかっている
  • 鍔は真鍮製、木瓜型鍔で、上下に日本刀の切羽の様な菊座あり
  • 握柄上下には銅製の金具あり、鮫皮が巻かれ、先細りになっている
  • 紐付穴は銅製、真鍮製のハトメがあり、握柄と紐付穴の間に真鍮の胴金あり
  • 入型総角結びの房紐付き



全体的に小ぶりで、 武器としての十手ではなく 指揮棒としての十手だと思われます。
本歌だとすれば、与力クラスの上級捕吏が使用したものですね。


この十手の不思議なところは、棒身の緋色部分です。
磁石が付き 銀色の地金が見られるため、 母材は『 鍛鉄 』と思われますが、表面の錆と地金の間に銅の様な緋色の部分があります。


だと思いますが、 詳細は不明です。

鍔は『 木瓜型 』で、小型で真鍮製です。
また、上下に切羽の様な薄い菊座があります。



握柄上下の金具は、おそらく関西型の十手握柄に多いタイプの金具で、これには蔓の様な紋様があります。
材質は銅製 経年劣化による破損か上下どちらも継ぎ目が割れております。



握柄末端側は、 割れ目をロウ付け(?)されております。
おそらく、これは後付けかと。
握柄鮫皮が巻かれており、漆を塗った跡は見当たりませんが、 表面が大まかに磨かれている様に思います。


これも経年劣化のためか、 割れ目が目立ちます

『 関西型の十手 』の特徴は、この紐付穴です。
通常、 十手には水平回転する紐付環を付けるのですが、関西町奉行所の十手には、水平回転しない紐付穴を付けることが多いです。


紐付穴には、ハトメがついております。
紐付穴は銅製で、ハトメのみ真鍮製 握柄末端の金具と紐付穴の間には、真鍮製と思われる座金が付けられております。


房紐は朱色で2つ入型総角結びが施されておりました。



今回購入した十手には、後世の人が付けたと思われるC環が、紐付穴に付いていました。

関西型の十手には 偶にあるようで、 一般的な十手のイメージから、この様な環が付けられるようです。






正直、これは 真贋がなんとも言えません
なぜかというと、全体的に劣化が目立つからです。

この様な『 上級捕吏の十手 』なら、 保管状態が良いはずなので、こんなに傷だらけになるのか?という疑問があります
本歌なら良いなぁ。