記事タイトル通りです。
今回は、NHK BSプレミアム時代劇『 伝七捕物帳(中村梅雀さん)』の十手を作りましたので、ついでに手順も記します。
まず、これがその十手です。
握柄は少し変えておりますが、劇中プロップをベースにしているため、配色は変えておりません。
長さは約38糎、定寸十手です。
劇中プロップでは、父・中村梅之助さんの伝七が使っていた『 なえし(棒十手)』に、鉄環に鍛接された鈎を焼きばめした十手を使います。
房紐は『 海老結び 』されていますね。
梅之助さんの伝七のなえし、おそらく2種類ありますね。
握柄が金色のものと黒色のもので、黒色のなえしが十手になっています。
BS時代劇版の伝七捕物帳では、なえしは『 鉄製鼻捻 』のような大振りのものを使っているようです。
棒身は八角形、握柄に藤巻が施されております。
この画像、なんといっても『 双角・卍の構え 』をとっておりますね。
『 双角 』は、右手になえし、左手に十手を持つ『 江戸町方十手捕縄扱い様 』の二丁十手の呼び方です。。
ここから、作り方を記します。
①:材料
- Φ12の米ヒバ丸棒
- 丸環ネジ
- 黒い糸
- アルミテープ(※)
- 銅箔テープ
- 針金
- M5座金
- M5ナット
- L字フック(ネジ部は切り取る)
(※):アルミテープは棒身や端面、胴金など場所によって厚みを変えますので、画像のアルミテープ以外も使います。
②:木材を切って成形し、鈎&紐付環用の穴を開ける
③:端面、棒身にアルミテープを貼り、握柄に胴金用のテープを貼る
棒身は側面分、胴金部は適度に。
④:握柄の胴金部分に、銅箔テープを貼る
⑤:座金→ナット→丸環ネジの順で接着し、紐付環を作る
※水平回転環の場合は、ここを省く。
⑥:握柄の胴金の間に、黒い糸を巻く
これは、胴金と同じ高さか、胴金より低くする。
⑦:太刀もぎの鈎を付ける
⑧:針金で紐付環の『 環 』を作り、紐付環に付ける
※水平回転環の場合は、ここで軸を作り、アイナットを鋲で止める。
大まかな作り方は、こんな感じです。
あとはピカールなどで仕上げを行えば、完成です。
私は木製十手を、いつもこの様に作っています。
最近始めたアルミ棒十手もほとんど同じなので、あとはこれを応用すれば、懐十手、なえし、鍔十手、鍔鈎十手(鍔付き鈎付き十手)なども作れます。
まあ簡単に書きましたが、最初は塗装から入り、色々工夫した末の『 1つの最適解 』なので、数年はかかりました。
作りましたね。
大学1年時の夏季休暇、この時に『 中村主水の十手 』を作ろうとして、十手についてネット検索したことがきっかけです。
最初は簡単な形で作りやすく、工作の練習として作っていましたが、今は十手が好きになり、少々ですが目利きもでき、劇中プロップ十手の傾向についても詳しくなりました。