鉄製両鈎十手・試作
お題「手作りしました」
今はそれが作りたいです。
特に、出来ることならある時代劇の『 仕込み両鈎十手 』が作りたいです。
先ず、今回製作するにあたり、私はこれを買いました。
鎹(かすがい)
です。
今回試作したものと、いずれ作ろうと思っている十手の両鈎に、鎹を使えば作りやすいと思いました。
それで、今回はこれを試作しました。
これは、
木製両鉄鈎十手
です。
前に作った『 鼻捻 』と同じ和風ハンガーを使ったため、今回も中空です。
木製でなくプラ製ですが...。
木製十手の場合、鈎の片側もしくは両側に鏑巻を施すことがあります。
そのため、鈎付け根の両側に、凧糸を巻いてニスで仕上げました。
握柄にはワックスコードの様な糸を巻き、艶出しニスで仕上げています。
全長:66糎、以前作った仕置屋主水十手(楠流十手/八州番太十手)より長い十手です。
握柄末端には紐付穴を開け、手貫紐を付けております。
★『 鼻捻 』について
適当だが...『鼻捻』について - 近江屋の御隠居の日録
それで、今作りたい両鈎十手は、こちらです。
これは、勝新太郎さん(映画版)や渡辺謙さん(TV長編版)主演『 御用牙 』で、北町奉行所隠密廻り同心・板見半蔵が使う『 南蛮一品流鼻捻 』です。
ただ、時代劇版では『 仕込み釵 』になっております。
『 釵(サイ)』は琉球古武術で使う武具。
↓本物の『 南蛮一品流鼻捻(ナワ・ユミオ捕具コレクション)』
原作の『 御用牙(原作:小池一夫さん、作画:神保たけ志さん)』では、これをしっかり描いていますね。
この『 南蛮一品流鼻捻 』と言う、当時はその筋の人じゃなければ存じていない仕込み十手を作品内に登場させるとは、小池一夫さんの知識量は本当にすごいです。
『 南蛮一品流鼻捻 』って、よく考えれば鼻捻なんですよね。
↓鼻捻
そのため、手貫紐は紐付穴につけられており、一般的な十手の紐付環(水平回転環)ではありません。
★『 南蛮一品流鼻捻 』などの仕込み十手の記事
仕込み十手 - 近江屋の御隠居の日録
仕込み十手は、前に仕込み鍔十手を作りましたが、やはり劇中プロップに近いものが作りたいです。
釵は左右対称の鈎が付いているため、鎹を使えば近いものが作れると思い、今回鎹を買って手始めに『 木製両鉄鈎十手 』を作りました。
案はあるのですが、問題は「分銅をどうするか」です。
そこが固まったら、製作可能だと思います。
鎖を仕込んだ道具だと、『 影同心 』で高積見廻同心・高木寛平が使う鳶口が、まさにそれですね。
↓高木寛平(渡瀬恒彦さん)
↓鳶口(イメージ)
鳶口部分が飛んでいく鎖筒で、『(南蛮)千鳥鉄 』の様な武器です。
高木寛平って、鞘の下緒も鎖でしたね。