十手:投げて解ける捕縄の巻き方
ようやく分かりました。
フォロワー様、ありがとうございます。
以前当ブログで、十手房紐の巻き方をご紹介いたしました。
この時は確か触れなかったのですが、目明かしが十手に巻く捕縄には、『投げて解ける巻き方』を施す場合がございます。
こちらです。
名和弓雄先生の書籍『十手・捕縄事典』に、この巻き方が記されておりましたが、アホな私には理解が出来ませんでした。
...が、ついにこの巻き方が、分かりました。
一応、投げて解けました。
とりあえず、一尺(約30糎)程の十手に、投げて解ける捕縄の巻き方をしたものは、こちらです。
フォロワー様曰く『海老結びの要領で握柄に捕縄を巻く』とのこと。
...実際、そんな感じです。
この結び方は、太刀もぎの鈎真下にある分銅を引くと、捕縄の結び目が解けます。
そして十手を投げ、下の海老結びを施した捕縄を引くと、握柄の捕縄が解けながら十手が飛んでいきます。
捕縄についている分銅によって、緒付環から捕縄が抜けず、十手から捕縄が外れる心配はありません。
この投げて解ける巻き方、私は約4年前に見ていました。
こちらです。
谷口柳造氏の著書『十手 ~破邪顕正の捕物道具~』にて、なえし(鈎無し十手)の項でこの巻き方を施したものがありました。
やっと解決しました。
十手型シノという工具で、これを真似してみました。
捕縄の代わりに、私は日本刀の下緒を巻いています。
ここで、『投げて解ける捕縄の巻き方』を、名和弓雄先生の書籍『十手・捕縄事典』を基に紹介いたします。
では。
①:先ず、捕縄を海老結びにして纏めます(房代わり)。
※海老結びでなくても良い。
②:柄に巻く部分は、海老結びの反対側を緒付環に通し、柄の末端から十手鈎の下まで捕縄を伸ばし、十手鈎の根本近くで捕縄を折り返し、握柄の末端まで引く。
③:この縄を上から斜めに押さえて巻き、柄を一巻きする。
④:柄の上の捕縄を2本並べて、柄の上にある縄の下からくぐらせて上から折り返し、柄を巻く。
⑤:④同様に、左から右と交互に下からくぐらせて上から折り返し、柄を巻いていく。
⑥:⑤により捕縄が鈎元まで巻き終わったら、柄を巻いた捕縄の末端を2糎程出し、折返す。
⑦:縦に置いて2本並べた捕縄の、折り返した部分(輪状の部分)に、柄を巻いた捕縄を折り返してから通す。
⑧:握柄末端の、緒付環の方から縦に並べた捕縄の一端を引いて締める。
これにより、鈎元の輪索が締まり、結ばれる。
巻いた捕縄が固定され、解く際は、鈎元の分銅を引き、海老結びにした捕縄を持って投げれば、捕縄は解けながら十手は飛んでいく。
前述の通り、緒付環に分銅が掛かるため、十手から捕縄が抜ける心配はありません。
海老結びを解けば、捕縄を十手から外せます。
投げて解ける捕縄の巻き方、私が解釈したのは記事の通りです。
正直、これが合っているかまだ分かりません。
握柄末端の捕縄を引けば、巻いた捕縄は解けますが、強く巻くと解けにくいため、なんとも言えない所であります。