近江屋の御隠居の日録

時代劇関連や刑事ドラマ関連、モデルガン、十手関連、ドール、figmaやその他の趣味用のアカウントです。更新頻度と共に修正頻度も高いですが、ご容赦ください。

ヤフオク8000円の十手について

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220722175734j:image

これは、何度か記事中画像にも登場している十手です。

こちらです。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220722180057j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220722222638j:image

この十手、ずーっと不思議に思っている部分がありますので、自分なりに鑑定してみようと思います。

※私はこの十手を磨きましたので、ヤフオクにあるものと外観は異なります。

 

 

 

 

◉項目

  1. 全体や特徴
  2. 気になる部分
  3. 結果

 

 

 

 

1.全体や特徴

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220722222656j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220722222653j:image

特徴は、以下の通りです。

  • 全長33糎、棒身のみだと30糎、握柄9.5糎
  • 棒身は円形で先細り
  • 太刀もぎの鈎は縦型矩形、やや大型で実戦向きな造り
  • 緒付環は猪目と思われる形状、水平回転環である

です。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724103933j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104116j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724103939j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104133j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104130j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724103936j:image

定寸(じょうすん)十手より短いため、懐に忍ばせそうな大きさですね。

長さは45糎程の定寸十手の物もあり、当時は町方同心の「真鍮製銀流し十手」に拘っていたため、30糎程の十手にしました。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724103958j:image

緒付環が水平回転環というのが、やはり良いところです。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724103929j:image

よく店頭で売られている十手は、緒付環がただ倒れるだけか、水平回転もするし倒れるというものが多いです。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104031j:image

緒付環の作り方を知っていれば、まず後者のタイプはあり得ないです。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104040j:image

※画像は名和弓雄先生 著『十手・捕縄事典 -江戸町奉行所の装備と逮捕術-』を参考に、私が書いたものです。

本歌であるかもしれないですが、環が水平回転し倒れるものは殆ど偽物です。

骨董市にて - 近江屋の御隠居の日録

 

 

2.気になる部分

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104224j:image

それは、緒付環です。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104153j:image

先程は「緒付環が良い」と言いましたが、この緒付環、継ぎ目が一切無いのです。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104256j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104252j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104247j:image

緒付環は、環を棒身に付けた後、曲げて環状にし、先端を鍛接して環にします。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104354j:image

なので、緒付環先端に、継ぎ目か盛り上がりとかがありそうです。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104556j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104559j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104553j:image

ヤフオクの十手は、それが一切ありません

ここは、非常に気になりました。

 

 

3.結果

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104650j:image

まあ、偽物若しくは贋作ですね。

鈎の付け方鈎を入れる棒身の穴の形状とても良いですが、やはり緒付環的に、これは贋作と思われます

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104714j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104716j:image

緒付環付近をよく見たら、多分ボルト止めされています

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104733j:image

棒身と緒付環の間が少し空いているため、ここをよく観察しました。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104747j:image

ネジ山と思われるものが、確認できました。

固着しているため、外せなかったです。

緒付環ボルト止めなんて、まず有り得ないです

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724103936j:image

そのため、私はこの十手を『贋作』と鑑定いたしました。

 

 

 

 

贋作、偽物と言いましたが、店頭で売られているものよりはマシだと思います。

安い物だと、鈎が溶接されていますからね(こんなの本歌では、まず有り得ないです)

上記にもありますが、鈎を入れる穴が矩形というのも、私的には評価している部分です。

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104116j:image

f:id:tokyokei_jidaigeki_satsueiti:20220724104825j:image

正直、十手の入門程度には適していると思いますので、結構気に入っています。