同田貫といえば...破れ傘刀舟!
今回は、時代劇「破れ傘刀舟悪人狩り」で、影響を受け、購入したものになります。
※購入したのは、今から約7年前です。
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まあ、『破れ傘刀舟で影響を受けて買った』と言ったら、もうアレぐらいです。
そうです...。
アレでございます。
これです.....。
では、どうぞ。
同田貫正国拵え 2尺5寸 居合刀
です。
もちろん、これは居合刀(模造刀)なので真剣ではありません。
正国拵えなので、「藤原正国拵え」だと思います。
ここで、少し。
- 「同田貫」...これは刀工集団の名前で、九州肥後国菊池の同田貫(地名)を拠点に、永禄頃から活躍した刀工の一群です(wikiより)。したがって同田貫自体が刀の名前ではありません。
- 「藤原正国」...これが刀の名前になります。その中の一振に藤原正国というものがあります。
これは同田貫の居合刀の中では安い方で、確か6万円程で、購入しました。
同田貫藤原正国拵えは、劇中プロップのような物だと、安くて20万円程で、子連れ狼に登場するような物だと、一振50万円します。
では、この同田貫正国拵えを、見ていきましょう。
◉全体
2尺5寸だけあり、一枚に収めるのが大変です。
同田貫正国は、質実剛健を形にしたような日本刀で、飾り気がなく、落ち着いた感じの刀です。
そのため、芸術的な要素は無く、実践向きの戦場刀として使われます。
そのため、刀工集団である同田貫は、加藤清正に召し抱えられたことでも有名です。
◉鞘
鞘は木製で、上石目仕上げをされています。
そのため、ツヤッツヤの表面ではなく、梨地のようにザラザラしております。
鐺(鞘の先端)はこのようになっています。
シンプルな金具も何もない、漆などで仕上げたような出来になっています。
下緒は、栗形に結んだままにしてあります。
鯉口は、以下のようになっています。
こちらも金具などは何もついていません。
したがって、丁寧に扱ってあげないと、割れてしまう恐れがあります。
◉刀身
同田貫派の特徴は、身幅が厚く反りが浅い刀身です。
これもそのようになっており、別の差前の刀身と比較すると分かるように、刀身も肉厚です。
(上:同田貫、下:比較用差前)
また、刀身がスッと伸びており、あまり反っていません。
刃文は、『直刃(すぐは)調に互(ぐ)の目を焼き、匂(におい)が沈んでいる』とあります。
- 匂...「マルテンサイト」という鋼の硬い組織の部分が、霞のように粒子が細かく見える物
- 互の目...丸い碁石が連続したように、規則的な丸みを帯びた刃文
...とまあ書きましたが、刃文は2重ってことだと思います。
刀身を傾けてみると直刃の刃文、互の目の刃文両方が確認できます。
刀身には、峰側に1本の太い樋(ひ)が入っています。
この樋は、刀身の重量軽減のために施したもので、1本だったり、2本だったり、物によって異なります。
◉鍔、柄、他
鍔は鉄製で、笹透かしの鍔(笹の図透鍔)になっており、丸い鍔になってります。
ハバキは焦茶色と落ち着いた感じで、楕円形の切羽も同様になっています。
柄は、黒染めされた鮫皮に、黒純綿が捻り巻きされ、金色の獅子の目貫が眩しいです。
この同田貫正国拵え、腰に差すとこのような感じになります。
無闇に鯉口を切るもんじゃないですが、せっかくなので、このように少し抜き差ししてみました。
同田貫は前述にもあるように、装飾をほとんど加えない質素な作りゆえ、美術品としての価値は低く、武器としての実戦を重視した実践刀、戦場刀と言われております。
私はやたらと装飾を施した刀は好かないゆえ、この同田貫正国は、自分に向いている差前だと思います。
この同田貫正国拵えの記事で「破れ傘刀舟悪人狩り」を出したのは、この作品で萬屋錦之介さん演じる叶刀舟の腰物が、同田貫(多分 藤原正国拵え)だからです。