十手も日本刀も同じ
お?
「十手は不浄役人が持つから、神聖な日本刀と一緒にするな!」だと?
喧嘩売ってんのかオラァ!!
なぜ同じかと言うと、どちらも鍛造製品ですし、切羽や菊座の造りなどは非常によく似ているからです。
私が目を付けたのは、『 日本刀の切羽&シトドメ 』と『 十手の菊座 』です。
切羽は鍔の上下に付ける楕円形の座金で、シトドメは栗型(下緒を通し入れる部分)に付ける刀装具です。
◉切羽
◉シトドメ
安物の模造刀では参考になりませんが、居合刀くらいの上物なら、ある程度参考になると思います。
本歌の十手の菊座は、こちらです。
この切羽と菊座の造り、同じだと思います。
円形もしくは楕円形の薄板に、花弁の様な刻みを入れ、シンプルながらも美し造りになっております。
考えてみれば、上級捕吏の十手は刀鍛冶や腕利きの職人が造るので、同じ造りになるのは当然です。
シトドメは、あいにくこのタイプの菊座がある本歌十手を持っていないため、手元の資料や『 長谷川平蔵宣以所有の鍔十手(レプリカ)』を参考にしました。
似ているでしょ。
こちらは縁だけでなく、面にも花弁が彫金されているため、より花弁の様な植物感があります。
日本刀では切羽を鍔上下に1枚ずつ、シトドメを栗型側面に1つずつ付け、拵えにするのが一般的です。
打刀や脇差はほとんどその様に作られますが、太刀は私に知識が無いため不明です。
十手の場合は、鞘が無いものが多いため、菊座は鍔や太刀もぎ鈎付け根、握柄上下、紐付環付け根に付けるのが一般的です。
その場合、ほとんどが切羽の様な菊座が多く、シトドメの様な菊座は鍔や太鼓胴鈎の上下に施します。
十手の場合はもう一つ菊座があり、紐付環のかしめ部分に付ける菊座は、菊座の縁と面にも筋を彫り、菊を模した練り菓子の様な形に造られます。
この様な菊座は、十手に多いと思います。
日本刀で使うのであれば、おそらく目貫や装飾として施されるのではないでしょうか。
やっぱり日本刀も良いですね。
↑お気に入りの一振り
(同田貫正国写の居合刀)
鍔のガタつきが気になって、目釘を抜いて手入れをしましたが、中子も若干ガタつくようになり、そちらも直しましたが、まだ不安です。