賞金稼ぎにおける『 ピン打ち式鉄砲 』
ピン打ち式鉄砲、『 ルフォーショーリボルバー 』です。
日本名で言う『 蟹目式薬莢 』を使用した鉄砲で、ヨーロッパで製作された元込め式鉄砲、これは幕末期に日本にも輸入されております。
軍用、民間用、N連発用(6≦N、Nは自然数)など色々作られましたが、蟹目式薬莢は他の『 縁打式薬莢(リムファイア)』や『 中心打式(センタファイア)』と比べ暴発しやすく危険で、シリンダーの溝にピンを合わせて装填しなければならないため、装填に時間がかかるということで、直ぐに廃れてしまいました。
今回は、時代劇『 賞金稼ぎ 』に登場した、その鉄砲についてです。
まず、劇中プロップは大きく2種類あります。
- 馬上筒
- 短筒
です。
◉馬上筒
これは、映画版第一作目『 賞金稼ぎ 』から登場し、TV版でも第1話から頻繁に登場するプロップです。
所謂『 リボルバーカービン 』です。
映画版第一作目では、なぜか『 ゲーベル銃 』として登場しておりました。
他では鉄砲、もしくは『 オランダ渡りの元込め式連発銃 』の様な、よくある呼ばれ方をしております。
TV版の第4話「ハイエナの街道」では、この鉄砲に使用する薬莢が登場します。
ただ、こればかりは仕方がないのですが、薬莢は『 中心打式(センタファイア)』のもので、蟹目式薬莢ではありません。
と言うか、蟹目式薬莢本体は、今のところNET1974年版 右門捕物帖 第25話「影を斬る男」にしか登場していないです。
◉短筒
これは、映画版第三作目『 賞金首 一瞬八人斬り 』から登場し、TV版では第3話「獄門台のガンマン」から登場します。
ただ、映画版とTV版ではプロップが異なる様に見えます。
この2つで異なるのは、エキストラクターロッドの長さとグリップの形状です。
映画版のルフォーショーリボルバーは、おそらく『 鞍馬天狗 』や『 怪傑黒頭巾 』に登場するものと同じと思われます。
映画版のプロップは、エキストラクターロッドが銃身の半分くらいの長さで、グリップは本物のルフォーショーリボルバーと同じ形で、縣鈕環(ランヤードリング)が付いています。
TV版のルフォーショーリボルバーは、前述のカービンタイプの銃身を切り詰めて、グリップを新規製作したプロップだと思います。
TV版のプロップは、エキストラクターロッドが長めになっており、グリップはコルトシングルアクションアーミーの様な形になっています。
多分、以降の賞金稼ぎにもこの鉄砲は登場します。
このピン打ち式馬上筒、ピン打ち式輪胴回転拳銃は他作品ではあまり見かけないため、頻繁に登場するのは嬉しいです。