人魚亭異聞無法街の素浪人 感想Ⅲ(7-9話)
今回は、三船敏郎主演「人魚亭異聞 無法街の素浪人」の7-9話の感想です。内容はDVDの裏表紙から引用しています。
•第7話「21発目の礼砲」
現金輸送車が爆破され五万両が奪われた。横浜独立共和国建設を夢見る旧幕臣・平太郎らの犯行だと睨んだ千鳥は、平太郎の身辺を洗う。
ゲストに本郷功次郎氏、江幡高志氏、田口計氏、上野山功一氏。スリの片腕を折った浪人に慰謝料請求するミスターの旦那、その超理論?に納得して金を払う平太郎。「スリも商売だ。養う女房や子供がいる。」とはよく言ったものだ。さすがメリケン帰りは考え方が違う。今回は救われないオチで少し後味が悪かった。革命家的な元幕臣達だがよく登場する革命謳った旗本連中ではないため、悪人というには少し薄め(でも現金輸送車の護衛を皆殺しにしたり、長屋を吹っ飛ばそうとしたりと結構やってはいるのか)。
•第8話「三匹の流れ者」
新政府で働く千鳥を裏切り者として恨んでいた旧佐賀藩士の黒沼三兄弟、千鳥を殺す計画を企てる。しかし、姿を見せない千鳥に業を煮やした兄弟は、かわりにお光を人質にするのだった。
千鳥弦之進メイン回その2で、元旧佐賀藩士で嫁になる人がいた事が判明。こちらも誤って斬ってしまうという江戸の牙伝さんコース。しかしそのまま新政府側の人間なのは違うところと、そのシーンが牙より重くないところ。今回は悲劇性は強い(特にラスト)。しかしこうなったのは、全て千鳥が原因なんだよなぁ。睦五朗氏に遠藤征慈氏、勝部演之氏の三兄弟とは濃い顔ぶれだ。3人もいて銃は一挺しか所持していなかった。どうやらミスターの旦那は鳥かごが作れたり、外国語が話せたりと色々とできるようだ。
•第9話「廃墟のめぐり逢い」
冴子が、古物屋からいわくありげな金の十字架を買ってくる。ミスターの旦那は冴子に、「バチが当たる」と脅かすが、なんとその言葉通り、その夜ミスターの部屋に女スリのマリが忍び込む。
ゲストに瑳川哲朗氏。メリケン帰りで、メリケンでミスターの旦那と出会っているという設定(その時の写真も登場)。隠密同心・井坂十蔵以外は新鮮だ。しかも西部劇に出てきそうな服装で髷も結ってないときた。今回は時代劇でおなじみキリシタン回だったが、内容的にキリシタンじゃなくても通る感じ。ミスターの旦那に脅されて、その後の騒動でバチが当たったと思いうなされるマダムが面白かった。そしてザビエルの発音がシャビエルだった。
この作品は明治時代が舞台で、且つ幕末期に開港した横浜が舞台だからか、用心棒に異人のガンマンを使っている商人が多い気がする。