ヤフオク・2000円の十手
こんばんは、近江屋の御隠居です。
今回は、ヤフオクで2000円で購入した『 十手 』についてです。
なんというか、一応自信はあるのですが、なんとも言えないです。
まず、こちらが今回購入した十手です。
ピカールで磨いていますので、届いたら時よりピカピカになっています。
全長:41糎、紐付環が残っている状態なら43〜44糎程になると思います。
棒身は先細りで、最大径15粍、最小径12粍です。
太刀もぎの鈎は直角で矩形、幅はありますが全体的に小ぶりです。
鈎穴は正四角形です。
反対側にかしめ打った跡がありましたので、一般的な十手だと分かりました。
鈎の棒身に入れる部分は、少し細くなっているタイプでした。
内部の図
握柄は黒錆で覆われており、こちらも先細りになっていました。
黒錆のおかげか、滑りにくく握りやすいです。
紐付環なのですが、今回の十手では外れていました。
先端にかしめ打った跡があります。
紐付環が外れているため、「紐付環軸は棒身から打ち出されている」という事が分かりました。
この十手、私は作り方や握り心地、全体的な出来から...
『 本 物 』
だと思っています。
この十手は、大正昭和期あたりに作られた新しめのもので、当時の警察官が私物として持っていた十手ではないかと推測しています。
なぜかと言いますと、この十手、握柄の錆に比べて棒身があまりにも綺麗なんです。
棒身及び太刀もぎの鈎は、メッキ加工か何かしらの表面加工がされているから、錆があまり発生していないと考えております。
谷口柳造氏の本で読んだのですが、どうやら昭和30年頃まで警察で十手が使われていたそうです。
明治以降の十手には、表面にニッケルメッキが施されたものもあるようです。
そのため、錆の程度や表面の艶から、ニッケルなどのメッキ加工か、それに近い表面加工が施されていると推測しました。
紐付環こそ無くなっていますが、珍しい十手を買ったと思います。
鈎の形がお土産用の十手と似ているため、これは贋物かと思った時があります。
しかし、紐付環や鈎の付け方から、その十手ではないと確信できました。