『 かしめ内蔵の紐付環 』について考える
多分これでしょう。
ずーっと考えておりましたが、意外なところにヒントがありました。
◉かしめ内蔵の紐付環
まず、『 かしめ内蔵の紐付環 』についてです。
紐付環の形状
...(中略)
六:かしめ内蔵、正円形。
柄の底板で、かしめてある。
かしめてある底板は鍛接。
と、記されておりました。
私が見た限りでは、『 かしめ内蔵の紐付環 』についての記載は、これくらいしか分かりませんでした。
おそらく、この十手の紐付環が『 かしめ内蔵の紐付環 』だと思います。
八州目明かしの十手
です。
他の一般的な十手と異なり、この十手の紐付環は環が倒れる仕様になっております。
これは、環付け根の球体部分は水平回転し、円環は倒れるという動きをすると思います。
円環は、万力鎖の鎖環や丸環のように沸かし付け(鍛接)し、切れ目を塞ぎ1つの円環にすると思われます。
環付け根の球体部分はアイボルトの様な形状で、底板と繋がっている部分が軸となり、水平回転すると考えております。
↑アイボルト
◉おそらくこれか?
上画像は、HWS(ハートフォード):二十六年式拳銃のモデルガンです。
これが、『 かしめ内蔵の紐付環 』のヒントになりました。
おそらく、この拳銃の『 縣鈕環』 、これが『 かしめ内蔵の紐付環 』に似た作りになっていると考えられます。
二十六年式拳銃は、提環の付け根を底板にピン留めし、底板は2本のネジで銃床に留められております。
この縣鈕環、付け根は水平回転し提環はパタパタと倒れる動作をします。
二十六年式拳銃は機械的接合で縣鈕環を固定するため、冶金的接合で紐付環を固定する十手とは異なりますが、大まかな縣鈕環の作り方が『 かしめ内蔵の紐付環 』と似ていると思います。
そのため、二十六年式拳銃をヒントにしました。
おそらく、二十六年式拳銃の『 縣鈕環 』は、『 かしめ内蔵の紐付環 』の代用に出来るのではないでしょうか。
意外なところで、二十六年式拳銃が役に立ちました。
このタイプの紐付環は、滅多に見かける事がないため、貴重な紐付環だと思います。