ヤフオク・7500円の十手
良さげな十手がありましたので、入札したら、落札出来ました。
今回は、記事タイトルにあるように、『ヤフオク 7500円の十手』についてです。
先ず、これが『ヤフオク 7500円の十手』です。
全長約36糎、棒身約24糎、握柄10糎です。
定寸十手か、それより少し短い目明かし十手です。
太刀もぎの鈎は直角で縦型、小ぶりなものが付いています。
反対側には、長方形のかしめた跡が確認できます。
紐付環は水平回転環、楕円形で真鍮製です。
真鍮製の紐付環ですが、環先端に繋げた跡が見られません。
もしかすると、紐付環の台座と環を鍛接しているのかもしれないです(真鍮製銀流し十手もこのタイプ)。
今回のものは、軸外径と紐付環台座の内径の差が大きいため、スムーズに回転します。
紐付環の軸は、十手握柄末端から打ち出して作るため、付け根が太めでかしめ部に近づくにつれて細くなっています。
この十手でも、それが確認できました。
この十手、はっきりしたことは申せませんが、もしかすると....。
『 本 物 』
かもしれません。
先ず、水平回転環です。
十手の紐付環は、このように作ります。
そのため、付け根に溶接した跡はありませんし、台座と環が分離していてパタパタと倒れるし回転する(※)という物でもありません。
※これは例外あり。
これは前述しましたが、もしかすると、紐付環台座と環を鍛接しているのかもしれません。
真鍮製銀流し十手(町方同心十手)もそうなのですが、環先端に繋げた跡が確認できません。
これはずーっと、どう作っているのか不明でした。
溶接はまず無いですし、台座は握柄末端の軸にかしめ止めされているので、台座と環を鍛接したと考えました。
次に、太刀もぎの鈎です。
小ぶりですが、厚さはそこそこに、矩形の穴を開けてかしめ止めされています。
穴を開けて、鈎を付けているため、鈎付け根は下画像の様になっております。
溶接していないので、不自然な盛り上がりや、溶かされた様な痕跡は有りません。
さらに、全体的な作りです。
今回の十手は、握柄末端から若干先細りになっており、全体的に楕円形になっております。
楕円形になっているので、握った感じ手に馴染むと思いました。
また、握柄は錆が厚めに付いているからか、これが滑り止めになっています。
さらに、黒錆の跡も棒身に残っていました。
※日本古来の鉄には、黒錆が出来るらしい。
棒身は、地金が露出している部分が多いです。
最後に、フォロワー様のリプライです。
日頃お世話になっている骨董関連のフォロワー様が、この十手のヤフオクリンク付きツイートに、このように仰っておりました。
「これは落として正解です。」
です。
これらから、今回の十手は『本物』では無いかと思いました。
この十手は、以前の目明かし十手と異なり、身分証明用程度の目明かし十手かと思いました。
しかし、棒身の錆具合は薄く、鈎は小さく、真鍮製の紐付環なので、町方与力同心が私物に持っていた十手かな?とも思いました。