少しネット検索した感じでは...。
武装商店様が、商品紹介として『 鬼平の鍔十手 』をレビューされているくらいで、それ以外は Amazonなどのレビューしか出てこなかったです。
ということは、個人ブログでこの『 鬼平の鍔十手 』を購入し、レビューしている人は居ない様ですね。
◉ 鬼平の鍔十手
先ず、全体がこちらです。
前述の通りですが、これは...。
尾形刀剣
長谷川平蔵 愛用の十手
当ブログを読んでくださっている方ならお分かりの通り、これは『 鍔十手(鍔付き十手)』に分類されます。
『 鍔付き十手 』は、火付盗賊改の十手に多いです。
◉ 特徴
● 全体
全長:63糎、全体的に細身なため長く見えます。
実物と同寸と思われ、また実物同様に全体的に先細りの造りになっています。
● 棒身
棒身:43.5糎、先細りで先端面は丸くなっています。
実物はハバキを付けていますが、こちらは 棒身を削り、ハバキというより『 棒身の装飾として彫金 』した感じになっています。
● 鍔
『 鍔十手 』 ですので、日本刀の様な鍔が付いております。
鍔径:49糎、厚み:4.7粍、円形の鍔です。
鍔の上下は、ニ重の菊座でかしめ付けられています(実物は三重らしい)。
火付盗賊改は盗賊や博徒、無宿人を相手にする役職なので、十手は実戦向きのものを採用しました (火盗改に十手の官給制度は無い)。
そのため、手元を守るために鍔を付けた十手が多いです。
● 握柄
握柄:15糎、 やや先細りです。
握柄には鮫皮が貼られており、目貫が付けられ、柄巻きも施されております。
日本刀の柄の様な造りになっており、これは実物と同様です。
目貫は『 鏃(やじり)』の形をしています。
柄巻き上下の縁金&柄頭は、鍔と同じ紋様があります。
● 紐付環
紐付環は猪目型の水平回転環、 形は実物と同じです。
紐付環軸は、菊座付きでかしめた様になっています。
複製品ですので、造りは実物と異なります。
こちらは 菊型鋲に紐付環を通し、それを 握柄末端に差し込んで固定しています。
市販品で唯一の水平回転環、素晴らしいです。
◉ 名前の由来
この鍔十手は、昭和初期頃に名和弓雄先生が『 長谷川平蔵宣以の末裔 』と言う長谷川性の人から、『 平蔵宣以所有の十手 』として譲り受けた様です。
そのため、これは出所や所有者が判明している、非常に珍しい十手です。
したがって、 この鍔十手の商品名に『 長谷川平蔵 』と明記されているのは、実際に長谷川平蔵宣以が持っていた十手だからです。
本物の『 長谷川平蔵宣以の鍔十手 』は、 時代劇なら『 右門捕物帖(NET1974年版)』や『 同心暁蘭之介 』のオープニングで確認出来ます。
参考:同心暁蘭之介のOP画像
また、井出正信さんの著書『 江戸の十手コレクション 』にも載っており、こちらは 表紙を飾っております。