改めて第1〜3話を見直したら、分かりました。
しかも、3本目は、もしかすると本物である可能性があります。
まず、むっつり右門こと近藤右門は北町奉行所の定町廻り同心です。
そのため、身分証となる十手を持ちます。
ブログ用。
— 近江屋の御隠居 (@oumiya_goinkyo) 2022年12月17日
十手を懐中から出し、身分を名乗る右門(第5話「通り魔」から)。#右門捕物帖#時代劇#杉良太郎#十手 pic.twitter.com/V9H5GpBB4H
それが、『 真鍮製銀流し十手 』です。
町方与力同心は舶載の真鍮に、内かしめした小ぶりの太刀もぎの鈎を付け、棒身や鈎に銀流し、握柄や鈎に金鍍金を施した十手を持ちます。
※鈎は、十手によって金銀2色あります。
※与力は自作、同心は官給品を持つようです。
右門捕物帖には、その十手が登場します。
右門が持つ十手は、以下の特徴があります。
- 全長9寸程(約27糎)
- 棒身は先細り、銀鍍金が施されている
- 太刀もぎの鈎にも銀鍍金が施されている
- 握柄のみ金鍍金、唐草かそれと思われる紋様あり
- 紐付環はただ倒れるだけで、正円形
です。
紐付環は、劇中プロップの十手によくあるタイプです。
紐付環がこのタイプの十手は2種類あり、全体的に同じ作りですが、鈎の形が異なります。
右門捕物帖に頻出する十手は、鈎が直角で、鈎の横手が幅広く、立ち上がり部分が細いものです。
74年版右門捕物帖や同心暁蘭之介に登場する十手は、鈎が撫で角になっており、全体的に丸みを帯びているものです。
そして、昨日見つけた『 3本目の真鍮製銀流し十手 』が、本物と思われる十手です。
これは、74年版右門捕物帖OP(前後半両方)やポスターに登場していましたが、まさか本編にまで出てくるとは思いませんでした。
本編では、今のところ第3話「島帰り」で確認しました。
この十手は、おそらく...。
『 ナワ・ユミオ捕具コレクション 』
です。
この十手のみ鈎まで金鍍金されており、棒身にのみ銀流しが施されております。
また、紐付環は正円形で水平回転環、握柄と紐付環の間に緋色の座金も確認できます。
房紐は、劇中プロップの十手と合わせるため、変えられていると思います。
この十手は、名和弓雄先生の本を参考にすると、おそらく『 町方同心・官給品の真鍮製銀流し十手 』だと思われます。
これは、元々の本数が少ないため、非常に貴重な十手です。
本物と思われる十手はもちろん官給品ですが、他2本もあると、どれが自作した十手か不明です。
同心暁蘭之介を見ると、撫角の十手も『 官給品の真鍮製銀流し十手 』扱いだと思います。
したがって、右門捕物帖後期OPでアップになる十手が、実費で作った十手だと思います。
町方同心の真鍮製銀流し十手は、奉行所から貸与される『 官給品 』です。
したがって、それを無くすと大変な事になるため、似た十手を自作し普段はそれを携帯、官給品は組屋敷の仏壇等に保管している人もいたようです。
↑明治大学博物館刑事部門に、町方同心の『 私物と思われる十手』 があります。
以上の通り、(NET1974年版)右門捕物帖には、3種類の真鍮製銀流し十手が登場します。
捕物用長十手も含めれば、全部で4種類も十手が登場します。
私としては、本物の官給品同心十手(真鍮製銀流し十手)がドラマ本編内で見れると思わなかったため、非常に嬉しいです。