漫画版:鬼平犯科帳 長谷川平蔵宣以の十手について
先に、こちらの記事をご覧ください。
鬼平犯科帳・長谷川平蔵の十手を探る!! ~追悼・中村吉右衛門さん~ - 近江屋の御隠居の日録
鬼平犯科帳:鬼平配下の捕物用長十手の謎 - 近江屋の御隠居の日録
TV時代劇『鬼平犯科帳:長谷川平蔵宣以の十手』はこれら記事の通りで、漫画版鬼平の十手とほとんど同じ形です。
しかし、若干異なるため記事にいたします。
◉項目
- 漫画版鬼平十手の特徴
- TV版と異なる部分
です。
1.漫画版鬼平十手の特徴
外見は、上画像の通りです。
以下に、特徴を記します。
- 全長は45糎程と思われ、定寸十手である
- 棒身は六角形や八角形とあり、絵によって異なる(見た感じ六角形が多い)
- 鈎は太鼓胴鈎と思われ、上下に一重の菊座が確認できる
- 握柄は鮫皮と朱色房紐と両方あり、絵によって異なる(鮫皮が多い印象)
- 絵によって異なるが、柄頭に冠金がある
- 紐付環は正円形で、水平回転環かは不明
- 房紐は紫房紐、房数は2つで、絵によって総角結びアリ
です。
見た感じ、十手のドアップシーンがほとんど無いため、断定はしにくいです。
房紐は共通しており、どの絵でも紫房紐で2つ房があるように見えます。
総角結びの有無は、さいとうたかを先生の気分ですかね。
紫房紐というのは、『ナワ・ユミオ捕具コレクション』にもある『長谷川平蔵宣以の鍔十手』に合わせていると思われます。
それか、長官(おかしら)だから紫色にしている可能性もあります。
2.TV版と異なる部分
ほとんど同じですが、私はこの部分が異なると思います。
『十手の太さ』
です。
漫画版鬼平十手は、定寸程ですが大ぶりな作りで、如何にも火付盗賊改らしい十手に思えます。
しかし、TV時代劇版鬼平十手は、長さは50糎程で定寸よりちょっと長いですが、全体的に細く華奢な作りです。
前にも書きましたが、TV時代劇版鬼平十手は関西同心十手に似ています。
同心十手なので大振りですが、華奢な作りです。
漫画版鬼平十手の方が、より実戦向きな十手だと思います。