贋作十手の良い見本
なんだかね、気に入って買ったくせにだんだん腹が立って来ましてね。
これです。
これは、上記事で紹介した十手です。
※これは偽物と鑑定したため、棒身を磨きました。
十手は、フォロワーさんも仰っておりましたが贋作が多く出回っています。
私も、数回行った骨董市やヤフオクで、その多さは実感しています。
ただ、私は一目で偽物と判断できるものしか、分からないです。
偽物か本物か微妙なものは、自分では判断できません。
そこで、骨董市で買ったあの十手を基に『偽物に多い傾向』を、私が実感した範囲内で記してみます。
- 鈎付け根の穴の形状
- 鮫皮
- 握柄上下で異なる縁金、柄頭
- 緒付環
です。
1.鈎付け根の穴の形状
これは、十手を使い方を考えればお分かりの通り、円形の穴はまず有り得ないです。
戦闘時、鈎が回転しないように、矩形の穴を開けて鈎をかしめます。
なので、円形ならばまず偽物(※)です。
(※)...円形でも、菊座でかしめられている場合は本物の可能性があるらしい。
2.鮫皮
私は、鮫皮の握柄の十手を全否定はしません。
ただ、贋物と思われるものに鮫皮が使われるイメージがあります。
名和弓雄先生曰く、鮫皮の握柄の場合は上下の縁金&柄頭が同じ材質・彫刻になります(そうでないものは偽物で、鮫皮十手はほとんどが偽物らしい)。
これは、私も岡崎の十手展や先生の私物で確認しました。
私が買ったものは、見事に上下で材質・彫刻が異なります。
そのため、これは偽物です。
3.握柄上下で異なる縁金、柄頭
これは「2.」と関連します。
前述の通りで、金属の材質や彫刻が、写真や実物で見たものは確かに同じで、縁金柄頭で1対になる感じです。
これ、日本刀の柄でも同じことが言えますね(記事執筆中に思いました)。
私の十手は、おそらく縁金は真鍮、柄頭は銅(素銅?)で作られていると思います。
上記の特徴に当てはまらないですね。
4.緒付環
水平回転環が本物では多く、名和弓雄先生が紹介した緒付環の作り方からすると、回転のみで環が倒れることはありません。
私の十手は水平回転&環が倒れる仕様で、強度的にこのタイプは本物では無いそうです。
実際、私も強度面は一般流通品の十手で経験済みです。
少し引っ張っただけで外れてしまい、これでは実戦に向かないです。
また、緒付環は回転部と環で材質が同じです。
異なる事はほとんど無いそうです(全く無いかな?)。
私の十手は、回転部と環で材質が異なります。
こういうものは、『昭和期に作られた贋作に多い』と聞き及んでおります。
フォロワー様、ありがとうございます。
私は、あの十手を3万円で購入しました。
腹が立っている原因は、6050円の本歌(本物)をヤフオクで見てしまったからです。
これは競り負けました。
緒付環が壊れているだけで6050円、まあフォロワーさんの10万円の偽物よりはマシですが、それでもやっぱり、なんだか悔しくなっています。
ただ、ライバルが少なければ、クラウンのガスリボルバーくらいの値段で買えることが、はっきり分かりました。