自分の誤認識 ~真鍮銀流し十手~
馬鹿の一つ覚え.....。
これは私のためにある諺ですね。
思いっきり間違えていました。
誠に申し訳ありません。
詰め腹を切って詫びなきゃならないくらい、十手に対して申し訳がないです。
まず、何を間違えていたのか。
それは...。
『真鍮銀流し十手』
についてです。
町方与力同心、関東取締出役(八州廻り)、代官郡代たちが拝領する十手は、上画像にあるように、棒身が銀流しで握柄が金鍍金されている十手です。
代官郡代は不明ですが、町方与力同心と関東取締出役の十手には、大きな違いがありました。
まず、こちらが町方与力同心の十手です。
次に、こちらが関東取締出役の十手です。
外見は、両方とも同じです。
どこが異なるのか....。
それは、十手棒身の材質です。
名和弓雄先生も記されておりましたが、町方与力同心も関東取締出役も外見は同じです。
そのため、房紐の色以外では、磁石を用いて町方か八州廻りかを見分けるとありました(先生の書籍にね)。
◉町方与力同心の十手
町方与力同心の十手は、十手棒身に真鍮無垢を用いて、その上から銀流し&金鍍金処理を施します。
そのため、磁石を近づけても棒身に吸い付きません。
◉関東取締出役の十手
関東取締出役、八州廻りの十手は、十手棒身に鍛鉄を用いて、その上から銀流し&金鍍金処理を施します。
鍛鉄というのは、字から分かる通り打ち鍛えた鉄です。
そのため、磁石を近づけると棒身に吸い付きます。
これらから分かるかもしれませんが、真鍮銀流し十手という言い方では、「真鍮に銀流し処理をした十手」という具合に聞き取られるかもしれません。
そのため、関東取締出役のものは「鍛鉄銀流し十手」と表記した方が正しいと思います。
...まあ、『町方与力同心の真鍮銀流し十手』、『関東取締出役の真鍮銀流し十手』と表記すれば、そのような誤解は招きかねないと思います。
以上が、私が誤認識していたものです。
上記で「十手の房紐で見分ける」と書きましたので、町方与力同心と関東取締出役の房紐を、明記いたします。
- 町方与力同心:朱房紐 又 紫房紐
- 関東取締出役:紫房紐 又 浅葱色房紐
です。
朱色か浅葱色の場合は房紐で判断し、紫房紐の場合は、磁石を用いたりいて判断しているそうです。