続・右門捕物帖(NET 1974年版)後期OPについて
突然ですが、先日、この書籍を購入しました。
十手・捕縄事典
~江戸町奉行所の装備と逮捕術~
です。
あの時代考証家:名和弓雄先生の書籍です!!!
まだしっかりと見た訳じゃないのですが、サーっと目を通しただけでも十分凄く、また、右門捕物帖OPで登場したものと思われるものもチラホラ載っていました。
したがって、今回は再び右門捕物帖後期OPのついて触れます。
※1記事で纏めますので、長くなると思います。
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ではでは...。
先ず冒頭のこのシーンから、名和弓雄先生の私物(と思われる)十手&劇中プロップ用十手のついて。
上画像左から...
です。
ここで、赤文字で明記した4.真鍮銀流し十手が、この「右門捕物帖」で杉良太郎さん演じる北町の近藤右門が使う十手です。
それ以外の1~3、5~7は、名和弓雄先生の私物十手、つまり「ナワ・ユミオ捕具コレクション」の一部だと思われます。
劇中プロップ用十手のアップと同時に、メインタイトルである「右門捕物帖」の題字が起こって登場します。
ここで、『一角流手棒目録』が写ります。
このシーンでは、目録のうち上画像の3つのみ画面に映されます。
ここで、原作者の佐々木味津三先生や、スタッフ、出演者のクレジットとともに、開門する北町奉行所→捕物出役姿の近藤右門並びに他捕方が登場します。
ここで、杉良太郎さんが来ている捕物時の服装は、時代考証的に正しいと思います。
上の本でもありましたし、しっかり鉢巻で耳も隠していますし。
この衣装については、後ほど記事にすると思います。
ここで再び『一角流手棒目録』、このシーンでは、一角流マロホシ並びに一角流や制剛流に伝わる鉄手具(鉄楯)が写ります。
ここで、杉良太郎さん本人による鉤縄の実演になります。
相手の懐に鉤をかける→縄を絡める→縄を踏み相手を制すると言った感じです。
ここで、なんと『南蛮一品流捕道具繪目録』が写ります。
捕物時に使用する、照明器具が描かれているようです。
ここで、右門が十手で拾い上げて投げているものは、おそらく『車松明』というものだと思います。
車松明(くるま たいまつ)
一尺(約30㎝)ほどの長さの棒状松明を三本、中心を丈夫な紐で縛り合せ、先端が六方向に向くように、球状に固定する。
六つの先端に点火して暗闇中に投げれば、地上に転がっても消えることは無く、賊の姿を明々と照らし出す。
このように十手・捕縄事典にありました。
上画像では判断しにくいですが、映像で見ると、この車松明の特徴に当てはまるように見えたため、そう断定しました。
ここで、再び『一角流手棒目録』です。
ここでは、捕縄における犯罪者の縛り方が載っています。
杉良太郎さんは合気道が特技で、養神館合気道五段をお持ちのため、披露したのではないのでしょうか。
スピーディな殺陣も、合気道との組み合わせで生まれています。
右門手下(てか)の十手持ち・伝六(おしゃべり伝六)を筆頭に、捕方が江戸の町を駆けるシーンです。
捕方は、刺又(さすまた)、袖搦(そでがらみ)、突棒(つくぼう)、寄棒(よりぼう)、梯子(はしご)を持っています。
ここで、捕物の実演が披露されます。
梯子で容疑者の四方を囲み、徐々に間隔を狭め、上記した長物の捕物道具で追い詰めます。
相手が武術に長けているために容易に捕縛できない時は、このような方法を用いるそうです。
ここで堂々と登場する右門。
捕物は手下のものや捕方に任せ、同心は縄を縛るくらいしかしなかったとか...。
ここで再び『一角流手棒目録』、目録の最後の部分が写されます。
OPラストシーンで1番の見せ場です。
刀を奪おうとする相手を利用するもので、鞘を敵に掴まれているため、膝で鍔を押さえ刀を敵に抜かせて、瞬時に四方に居る敵を斬るというシーンです。
先程、杉良太郎さんは養神館合気道五段の持ち主と記述しました。
とまあ、こんな具合にツラツラと記述致しました。
ここまで見て下さった方ならお分かりの通り、『NET1974年版右門捕物帖』は、TV時代劇と思えないほど豪華な作りになっております。
これほどの時代劇は、もう作れないような気がします。
時代劇から十手に興味を持った人間は、おそらくこの右門捕物帖、又は同心暁蘭之介あたりに興味を示すと思います。
この右門捕物帖は、なんと言っても第34話&第35話で、『破邪顕正の構え』を披露するのも見どころです。
最近は東映さんが公式YouTubeチャンネルで時代劇をアップロードしていたり、BF(ベストフィールド)というメーカーも東映時代劇作品をソフト化しているので、そろそろこの右門捕物帖も、何か動きがあって欲しいです。