受け継がれていく仕置屋主水十手
「仕置屋主水十手」...
私が勝手に呼んでいるだけです。
この十手は以前にも取り上げており、そこでは「仕置屋主水十手 = 八州番太十手(楠流十手)」と考察いたしました。
今回は、使用例が見つかったので、それについて記事にいたします。
◉1970年代
★1973年
確定している最初の使用例は、必殺仕置人第11話「流刑のかげに仕掛けあり」の、岡っ引き・鬼の岩蔵の十手です。
この回では、鬼岩の私物十手がこれですので、劇中しっかり映るシーンが多いと思います。
あのシリーズでも屈指の腕を持つ仕置人・棺桶の錠&念仏の鉄相手に、互角の腕を見せた鬼岩の親分。
イマケン(今井健二)さんが楽しそうに演じているため、見ているこちらもワクワクします。
なのに、あまり注視されませんね。
★1974年
まずは、この話です。
助け人走る第20話「邪恋大迷惑」の岡っ引き・音羽の萬蔵の十手です。
イマケンさんの次はゴテ雄(伊藤雄之助)さん!
なかなかな顔ぶれですね。
この回は一匹狼の殺し屋・龍の初登場回ゆえ、そちらがメインのため、やや影が薄いです。
次は、こちらです。
暗闇仕留人・中村主水の十手です。
仕留人では2種類十手を使用し、シーンによって朱房紐巻きの十手、仕置屋主水十手と分かれています。
2種類存在するのは、必殺シリーズDVDコレクション/必殺DVDマガジンの表紙でも、確認することができます。
なぜ仕留人は2つ十手を所有するのか、どうゆう基準で使い分けているのかは、不明です。
★1975年
この年、ようやくこの作品で使用されます。
先程から申している「仕置屋主水十手」は、この作品から由来しています。
仕置屋は、紐を鈎に巻いていますが、これは第2話「一筆啓上罠が見えた」からで、第1話「一筆啓上地獄が見えた」では、まだ仕留人と同じで、房紐を垂らしている状態でした。
必殺仕置屋稼業のみ、この十手を常用します。
ただ、必殺仕置屋稼業では、第1話で奉行所から朱房紐の十手を拝領しているシーンがあるんですけどね。
ここからが、新しい発見になります。
前述が長くなってしまい、すみません。
◉1980年代
★1981年 ~ 1982年
この作品で、登場していました。
佐武と市捕物控・佐武の十手です。
長さ、形状、緒付環が、仕置屋主水十手のそれと同じです。
この作品では、ただ十手として使うだけではなく、十手の先端に鏃(やじり)を付け、武器として使用しているシーンがありました。
◉2000年代
★2000年 ~ 2006年
これは画像のみの判断で、私は本編を見たことが無いですが、おそらく同じだと思います。
八丁堀の七人・仏田八兵衛の打ち払い十手です。
仏田八兵衛とは、片岡鶴太郎さんが演じる同心の役名です。
藤巻十手は多々あれど、この特徴を持った十手は、仕置屋主水十手だと思います。
★2016年 ~ 2017年
これが最近の使用例になると思います。
伝七捕物帳・がってんの勘太の十手です。
これは中村梅雀さんの伝七捕物帳で、がってんの勘太は徳重聡さんが演じております。
驚きました。
高画質で仕置屋主水十手が見れるだなんて、感動です!
しかも、高画質ゆえに新たな発見もありました。
それは、手の内(持ち手)の藤の巻き方です。
藤がクロスしているのが分かると思います。
ただ手の内に巻いたのではなく、このように洒落っ気も出した巻き方になっているとは、存じていませんでした。
手元の画像で確認したところ...。
鬼岩の十手、仕留人の主水十手も、同じ藤の巻き方がされているので、この手の内の藤巻も、仕置屋主水十手の大きな特徴の一つです。
40年近くにわたり、色々な俳優さんに使われた十手だと、分かりました。
2017年の作品ともなると、藤巻も年季が入り茶色くなっていますね。
必殺シリーズにも登場しているので、高津商会さんの倉庫に、眠っているかもしれないです。
最後に...。
上記以外の作品で、仕置屋主水十手の使用例がありましたら、是非お教え下さい。